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引用。残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する (Kindle版)

書名:残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する (Kindle版)

著者:エリック・バーカー

翻訳:竹中てる実

監修, 翻訳:橘玲

出版社:飛鳥新社 (2017/10/24)

引用:Pipopa

書籍情報出典:Amazon.co.jp

Amazonリンク:残酷すぎる成功法則 Kindle版


Kindle版の位置No.420からNo.444より引用。

 ニュースでよく聞くのは、遺伝子が原因でああなる、こうなるという話だ。それで私たちはすぐに、「良い遺伝子」「悪い遺伝子」とレッテルを貼る。これは心理学者が「脆弱性ストレスモデル」と呼んでいるもので、悪い遺伝子を持つ者が何か問題に遭遇すると、うつ病や不安神経症などの精神疾患を発症しやすいという。だが一つ問題がある。この説が間違っている可能性がじょじょに強まってきたのだ。

 遺伝学の最近研究では、「良い遺伝子」対「悪い遺伝子」というモデルが覆され、増強装置概念に近い説が導入されつつある。心理学者が差次感受性仮説(感受性差次仮説)と呼ぶもので、問題があるとされる遺伝子が、状況さえ異なれば素晴らしい遺伝子になりうるという考え方だ。一本のナイフで人も刺せれば、家族の食事も作れる。それと同じで、遺伝子の良し悪しも状況次第で変わるという考え方だ。

 もっと具体的に話そう。たとえば大多数の人は、正常なドーパミン受容体遺伝子DRD4を持つが、一部の人は突然変異種のDRD4‐7Rを持つ。これは、ADHD、アルコール依存症、暴力性と関連がある悪い遺伝子とされている。

 しかし、社会心理学の研究者のアリエル・クナフォが子どもを対象に行った実験では、別の可能性が示された。クナフォは、どちらの遺伝子の子どもが、自分から進んでほかの子とキャンディを分け合うかを調査した。通常三歳児は、必要に迫られなければお菓子を諦めたりしない。ところが、キャンディを分け与える傾向がより強かったのは、なんと7R遺伝子を持つ子たちだったのだ。

「悪い遺伝子」を持つ子どもたちは、頼まれもしないのに、なぜほかの子にキャンディをあげたいと思ったのだろうか?

 なぜなら7Rは、「悪い遺伝子」ではないからだ。

 ナイフと同様に、7Rの良し悪しは状況次第で決まる。7Rを持つ子が虐待や育児放棄など、過酷な環境で育つとアルコール依存症やいじめっ子になる。しかし良い環境で育った7R遺伝子の子たちは、通常のDRD4遺伝子を持つ子たち以上に親切になる。つまり同一の遺伝子が、状況次第でその特性を変えるというわけだ。

 行動に関連するほかの遺伝子の多くにも同様の結果が見られた。ある種のCHRM2遺伝子を持つ十代の子が、粗悪な環境で育つと非行に走りやすい。同じ遺伝子を持つ十代でも、良い環境で育てばトップになる。5‐HTTLPRという変異体遺伝子を持つ子が支配的な親に育てられるとズルをしやすいが、優しい親に育てられると規則に従順な子になる。記号だらけのミクロレベルの話はこれくらいにしよう。