Pipopa Organization

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引用。二十億光年の孤独

書名:二十億光年の孤独

著者:谷川俊太郎

出版社:日本図書センター (2000/3/25)

引用、文書入力:Pipopa

書籍情報出典:Amazon.co.jp

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page56-57

周囲

 昨日の奥の十億年

 明日の奥の十億年

 アンドロメダ星雲とオリオン星雲との

 地球に関する事務的な会話

 机の下のヒヤシンスと

 おやつのチョコレエト

  せいぜい無限ほどの体積しかもたない

  人間の頭脳

  しかるが故の

  感情の価値


page120-121

 埴輪

 すべての感情と苔むして静かな時間とが

 君の脳に沈殿している

 眼の奥にある二千年の重圧に耐え

 君の口は何か壮大な秘密にひきしめられる

 泣くことも 笑うことも 怒ることも君にはない

 何故なら

 君は常に泣き 笑い そして怒っているのだから

 考えることも 感ずることも君にはない

 しかし

 君は常に吸収するそしてそれらは永久に沈殿するのだ

 地球から直接に生まれ 君は人間以前の人間だ

 足りなかった神の吐息の故に

 君は美しい素朴と健康を誇ることが出来る

 君は宇宙を貯えることが出来る


page122-123

 静かな雨の夜に

 いつまでもこうして座って居たい

 新しい驚きと悲しみが静かに沈んでゆくのを聞きながら

 神を信じないで神の匂いに甘えながら

 はるかな国の街路樹の葉を拾つたりしながら

 過去と未来の幻燈を浴びながら

 青い海の上の柔らかなソファを信じながら

 そして なによりも

 限りなく自分を愛しながら

 いつまでもこうしてひっそりと座って居たい