もうなんだか大分長い間、小説らしい小説を久しく読んでいないと、最近思っていた。
なので図書館で小説を借りて読んでみた。
前評判通り悪い小説じゃなかった。良いといえば良かったのだけど、小説内での価値観と、小説を読んでいる自分の生きる世界の価値観というのは大分違うなと思った。
読んだ、小説の一例でいうと、苦しいことがおきて打ちのめされても、なんとか乗り越えていく。ということを繰り返して話が進んで物語が終わる。
つまり、今回、小説を読んでいて、その世界を否定せずに、なるべく寄り添うようにいると、その小説の世界のように人生が進んで行くのが当たり前なのかと思えて、自分の人生の凡庸さに唖然とも感じ、なるべくそういうことは気にせず読み続け読み終えた。
そういった居心地の悪さというものは、よくよく考えれば当然あってしかるべきで、なぜなら、人生は小説以上に、長く続いてきたものであり、その様子というのも多様かつ恐らく退屈であるからだ。失敗にドラマチックな解決策はなかったかもしれないし、問題点は放置していたら、だれか気づいた人が掃除して、それにすら気付いていないかもしれない。だから、そういう自分の平々凡々な愚かさと、小説で描かれる人たちの苦悩と葛藤を対比したら、どうも自分が本当によろしくない人間のような気がしてくるのだ。
今回読んだ小説は、小説内の価値観や物語はよくできているし、つまらなくはなかったけど、気分を深くいれこんで読むことはなかった。この先も小説をよんで今回のような感想をもつのかもしれない。
取り留めもなく書きました。
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