引用。「分かりやすい表現」の技術―意図を正しく伝えるための16のルール (ブルーバックス)

書名:「分かりやすい表現」の技術―意図を正しく伝えるための16のルール (ブルーバックス)

著者:藤沢晃治

出版社:講談社 (1999/3/19)

引用、文書入力:Pipopa

書籍情報出典:Amazon.co.jp

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page 173 - page 188

★ルール1 おもてなしの心を持て。

 「親切心」「おもてなしの心」が「分かりやすい」の真髄です。大事なお客様をもてなすような心遣いで、できるだけ情報を整理し、情報の受け手の負担を軽減してあげましょう。

 □受け手をお客様と考えているか?

 □受け手の立場、目線で発想しているか?

 □受け手に対して低姿勢か?

 □受け手を楽にする「情報の事前整理」をやっているか?

 □情報をもっと整理する余地を残していないか?

 □表にできないか?

 □図解できないか?

 □フールプルーフになっているか?

 □受け手が支払う代金に見合うサービスをしているか?

 □「分からないのはお前が悪い。ちゃんと書いてあるじゃないか」と思っていないか?

★ルール2 「受け手」のプロフィールを設定せよ。

 情報発信に際して最初にしなければならないのが、「受け手はどんな人か、どんな前提知識を持っているか」の設定です。これを無視したり見誤ると、「分かりにくい」情報発信になります。

 □受け手のプロフィールを思い浮かべたか? 年齢層は? 性別は?

 □受け手は素人か、初級者か、中級者か?

 □あなたにとっておん常識の説明を省いていないか?

 □受け手に分からない特殊用語、専門用語を使っていないか?

 □受け手が何を理解しづらいのか考えてみたか?

 □いきなり、そんな詳細な説明から入って大丈夫か?

 □それは、あなたの職場(集団)だけで通じる説明ではないか?

 □フールプルーフになっているか?

 □設定した受け手と同じレベルの人に、事前チェックしてもらったか?

★ルール3 「受け手」の熱意を見極めよ。

 あなたの発信する情報に対する受け手の関心の程度は重要です。これを読み違え、実際以上に受け手に関心があると思い込んで発信すると、「分かりにくい」ことになります。

 □受け手はわがまま、気まぐれなお客様だという前庭を忘れていないか?

 □受け手があなたの主張に強い興味を持つと思い込んでいないか?

 □受け手が、あなたの情報を理解しようと自ら努力してくれると思い込んでいないか?

 □受け手がそんな細かい所まで、辛抱強く読むと思うか?

 □受け手の中途放棄の強権を忘れていないか?

 □受け手が逃げ出さないよう工夫しているか?

 □受け手がすましておくべき仕事(情報整理)を受け手に回していないか?

 □時間が長過ぎないか? 休憩が必要ではないか?

 □量が多過ぎないか? 別の章に回した方がよくないか?

 □フールプルーフの原則を守っているか。

★ルール4 大前提の説明を忘れるな。

 送り手にとってあまりにも当たり前過ぎることは、受け手に説明するのを忘れてしまうことがあります。受け手のプロフィールが設定できたら、その人たちが持っている基礎的な知識(大前提)の程度にあわせて、説明する範囲を決めるのです。たとえば家電製品の使用説明書では、「電源コードをコンセントに差し込んでください」と書くなどです。

 □自分が分かり過ぎている人であることを自覚しているか?

 □初心者の発想を忘れていないか?

 □あなたが発信する情報の前提となる知識は何かをチェックしたか?

 □当然過ぎて説明していない前提が、受け手の基礎知識にあるかどうかを確かめたか?

 □これは説明を省けると思っている前提は、本当に説明しなくて大丈夫か?

 □受け手の持っている大前提以上のことは、きちんと説明しているか?

 □そそもそも「これから何を説明するか」を説明しているか?

 □それは、仲間うちだけで通用することば、事柄ではないか?

★ルール5 まず全体地図を与え、その後、適宣、現在地を確認させよ。

 受け手が常に「全体地図」と「現在地」をつかんでいないと、あふれる情報のなかで迷子になります。これをつかみやすくすることが「分かりやすい」情報発信のポイントの一つです。全体地図は「概要」、現在地は「詳細」と言い換えることもできます。

 □最初に「概要説明」をしているか?

 □テーマごとのグループ分けは適切か?

 □受け手は、全体の流れを理解しているか?

 □その説明で、受け手は、そもそも何を説明されているのか分かるのか?

 □各テーマに入る冒頭で、その都度、主題、概要を説明しているか?

 □説明の途中で、適宣、受け手に現在地を確認させているか?

 □説明が必要な大前提は、きちんと説明しているか?

 □「概要→詳細」の順序を守っているか?

 □適切な単位ごとに、表題、見出しなどをつけているか?

★ルール6 複数解釈を許すな。

 ある意味ではこれがいちばん守りにくいルールです。あなたが思い込んでいる解釈とは異なる解釈を、自分自身で発見することには限界があります。最後の決めては、月並みな方法ですが、他人の目によるチェックでしょう。

 □それは自分だけの思い込みではないか、再チェックしたか?

 □すべて明確にグループわけしてあるか?

 □どこに属すか不明確なものはないか?

 □意味があいまいなものは含まれていないか?

 □その代名詞が何を指しているのか明確化?

 □その形容詞(または副詞)がどの語を修飾しているのか明らかか?

 □枠や色でグループ分けできないか?

 □第三者に最終チェックしてもらったか?

 □十分な人数にチェックしてもらったか?

★ルール7 情報のサイズ制限を守れ。

 一区切りの情報サイズが大き過ぎたり、伝達速度が速過ぎると、「分かりにくい」ことになります。そして、情報伝達のサイズや速度の決定権は、送り手にあるのではなく、あくまでも情報の受け手にあることを忘れないでください。

 □速過ぎないか?

 □一区切りが長過ぎないか?

 □一視野当たりの選択肢の数が多過ぎないか?

 □不必要な情報で上げ底していないか?

 □受け手にすべて理解してもらう必要があるのか?

 □そんなに長い時間、受け手が集中できるのか?

 □そんな短時間で、受け手が全部受信できるのか?

 □受け手が理解できるだけの時間があるのか?

 □短時間で理解できるように、もっと噛み砕いた表現にできないか?

★ルール8 欲張るな。場合によっては詳細を捨てよ。

 一区切りの情報サイズや伝達速度が適正でも、情報の総量を欲張ると、やはり分かりにくくなります。優先順位が見えなくなって全体の印象が弱まり、その結果、本当に伝えることができる情報量が、逆に少なくなるからです。時には思い切って詳細を捨てる(隠す)ことも必要です。

 □情報の総量が多過ぎないか?

 □それ全部が本当に必要なのか?

 □どれをいちばん伝えたいのか?

 □なくてもよい情報が混じっていないか?

 □もっと絞り込めないか?

 □受け手は、一度にそれ全部を理解できるのか?

 □詳細は別の機会、別の回、別のページに譲れないか?

 □基本機能と補足機能が、一度に両方とも受け手にみえてしまっていないか?

 □上級者向け補足機能、見たい人にだけに見えるようにできないか?

★ルール9 具体的な情報を示せ。

 「動物が好き」より「犬が好き」がより具体的です。「犬が好き」より「シェパードが好き」がさらに具体的です。つまり概念上の「分類名」「グループ名」だけで語らず、なるべく構成要素も受け手に伝えることが大切です。

 □概念の説明だけに終始していないか?

 □豊富な事例、具体例をあげているか?

 □それは実物に即しているか?

 □もっと身近なケースで説明できないか?

 □それは実際にはどうなるのか?

 □その範囲は明確か?

 □どういう場合が該当するか明確か?

 □数値で示せないか?

 □実際の日時や場所を示せないか?

★ルール10 情報に優先順位をつけよ。

 情報を伝えるためのリソース、すなわち資源には「時間」「紙面のスペース」「文字サイズ」などがあります。こうした資源は、情報の重要度に応じて使いましょう。VIPにはVIP待遇を与えましょう。情報伝達に関する限り「すべて公平に」は悪平等です。

 □何をいちばん伝えたいのか、自分自身が理解しているか?

 □どれが概要で、どれが詳細なのか?

 □どれが主題で、どれが補足なのか?

 □最重要情報をVIP待遇(文字の大きさ等)しているか?

 □重要な情報ほど目立つように工夫したか?

 □差異率を無視していないか?

 □枝葉末節な情報にスペースを取り過ぎていないか?

 □重要でない情報は、思い切って省略できないか?

 □重要でない情報は、別な場所へ持っていけないか?

★ルール11 情報を共通項でくくれ。

 気どって言えば因数分解するということ。ab+ac=a(b+c)の左辺ではaが二回登場しますが、右辺では一回ですんでいます。このように、同じことを表現するのにも、できるだけ文字数、語数を減らせば、スッキリと分かりやすくなります。

 とくに説明がくどく感じたら、共通項をくくってみる必要があります。これも情報のリソース消費を少なくして、「分かりやすい表現」につながります。

 □説明がくどくないか?

 □同じことの繰り返しは、一回ですますことはできないか?

 □同じ説明を繰り返さず、グループ分けできないか?

 □共通項でくくれないか?

 □極限まで情報構造の単純化ができているか?

 □もっと少ない語数で表現できないか?

 □もっと簡単に言えないか?

★ルール12 項目の相互関係を明示せよ。

 項目どうしが対等なのか、親子関係にあるのかを明らかにすることは、情報構造を明確に示す有力な手法の一つです。要は大項目、中項目、小項目をきちんと区別し、まぎらわしくないように表現することです。

 □情報の構造を十分吟味、検討したか?

 □まず大項目でグループ分けがされているか?

 □どれが表題かが明確か?

 □大項目、中項目、小項目が明確に区分けされているか?

 □項目の並列関係と親子関係が混同されていないか?

 □明確な「場合分け」がなされているか?

 □次元の違う事柄が同列に表現されていないか?

 □どれがどの項目に属しているかが明確か?

 □所属不明な項目はないか?

★ルール13 視覚特性(見やすさ)を重視せよ。

 「見やすさ」とは「見分けやすさ」で、グループを見分けやすくすればよいのです。グループ分けを目立たせる鍵は、境界線で、手段は、枠、色、書体、大きい、表示位置などいろいろです。

 □大項目、中項目、小項目の関係がひとめで分かるか?

 □色で分けたほうが明確にならないか?

 □文字の大きさを変えたほうが明確ではないか?

 □箇所書きにしたほうが明確ではないか?

 □図解したほうが分かりやすくならないか?

 □枠でくくったほうが明確にならないか?

 □表にできないか?

 □それは、どっちに属しているのか?

 □行頭位置を変えたほうが明確にならないか?

 □選択肢の数が多過ぎないか?

★ルール14 自然発想に逆らうな。

 人は誰でも、生活体験の中で蓄積した知識を二次記憶域にたくさん持っています。それをもとに「こういう場合は、こうなる」という無意識の予測、予感にしたがって判断し公道しているのです。この自然な予感を裏切る情報は、受け手を混乱させ「分かりにくい」ことになります。

 □定義した受け手のプロフィールを思い浮かべたか?

 □受け手が何を当然と思うかを検討したか?

 □できるだけ多くの人が発想することにもとづいているか?

 □実物の位置関係と対応させているか?

 □時間の流れと一致させているか?

 □それはあなたの属する集団だけの習慣ではないか?

 □重要な事柄から順に説明しているか?

 □それは日本固有の習慣ではないか? 世界共通か?

 □受け手の風俗、習慣に一致しているか?

★ルール15 情報の受信順序を明示せよ。

 壁などに張り出されるパラパラの掲示文、また機械などに付いてくる何冊にも分かれた説明書など、相互関係が明らかでないために、分かりにくい場合があります。インターネット・ホームページ内の構造でも、情報受信順序が示されないために「分かりにくい」サイトとなっている場合があります。ある情報が別の情報の前提知識となっている場合、情報の受信順序を明確に示す必要があります。

 □単に、あなたが思いついた順番に情報を羅列していないか?

 □あなたの期待通りの順番で受け手が読んでくれる保証があるのか?

 □全体の流れ(情報受信順序)を把握できているのは、あんただけではないのか?

 □それぞれの情報間に相互依存関係はないのか?

 □それを伝える前に、前庭となる情報を与えているか?

 □どれを先に読むべきかの順番を受け手が理解しているか?

 □見てほしい順序があるのなら、それを受け手に伝えているか?

★ルール16 翻訳はことばではなく意味を訳せ。

 翻訳は語学力だけあってもできません。語学力に、内容の理解力、母国語の表現力の三拍子が揃って初めて「分かりやすい」翻訳文になるのです。

 □「言語」ではなく、「意味」を訳しているか?

 □原文の内容を理解するための時間を確保しているか?

 □原文の書き手に内容の確認を十分行ったか?

 □原文の意味を完全に理解しているか?

 □原文の文構造に囚われいないか?

 □原文と一対一にしなければならないとおもっていないか?

 □もっと自然な日本語で言えないか?

 □同じ意味をもっと別な表現で短く言えない?

 □文脈から分かる部分は省略できないか?

 □意味不明なので、原文にはない説明文を加えるべきではないか?

Pipopa Organization

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